大改正!経営事項審査

1950年にスタートし、1994年、公共工事入札参加企業に義務化された経営事項審査制度。毎年のように改正が繰り返されてきましたが、令和5年4月よりこれまでの対面審査が廃止、原則、電子申請になったことに伴い、経営事項審査は大きく変わります!

制度変更のポイントは以下の通りです。ご確認ください。

 

  1. 対面審査廃止⇒原則電子申請、郵送も可
  2. 電子申請の流れ
  3. 「使用人の一覧表」「完成工事内訳書」「法人税納税証明書」等の廃止
  4. 工事請負契約書等は申請業種ごとに請負金額上位3件のみに提出
  5. ワーク・ライフ・バランスに関する取組の状況【新設】
  6. 建設機械の保有状況【拡大】
  7. 国又は国際標準化機構が定めた規格による認証又は登録の状況【拡大】
  8. 建設工事に従事する者の就業履歴

 

対面審査の廃止

これまで経営事項審査は、県庁又は建設会館等で開催され、県庁担当者と申請者の対面により実施されてきましたが、令和5年4月より対面での審査は廃止となり、電子申請での受付となります。なお当面、書面の郵送での受付も認められます。

受付期間は下記の通りです。各月1日から25日までが受付期間となります。

 

 

受付月 審査対象決算月
 4月  10~11月決算法人
5月 12月決算法人、個人
6月 12~1月決算法人、個人
7月 2~3月決算法人
8月 4月決算法人
9月 5月決算法人
10月 6月決算法人
11月 7~8月決算法人

12月

8~9月決算法人

3月

受審要件を満たす者(予備日)

電子申請の流れ

電子申請を始めるには「建設業許可・経営事項審査電子申請システム(JCIP)ジェイシップ」https//https://prod.jcip.mlit.go.jp/TO/TO00001へログインして行いますが、ここでは割愛します。電子申請の流れは次の通りです。

  1. 経営状況分析申請の申請・結果(申請者⇔登録経営状況分析機関)
  2. 申請システムの入力、確認書類の添付(申請者)
  3. 審査申請(申請者⇒熊本県)
  4. 申請書類の形式審査、受付、手数料納付指示の通知(熊本県)
  5. 審査申請手数料の納付(申請者)
  6. 手数料の納付確認後、申請書類の審査(熊本県)
  7. 申請書類の不備等による補正指導(熊本県⇒申請者)
  8. 経営規模等評価結果通知書兼総合評定値の電子甲府

申請の形式審査・受付後にJCIPにて納付案内を行います。JCIPから出力した「はり付け欄」に熊本県収入証紙を貼り付け、次の宛先に書留郵便で郵送して下さい。

 

 〒862-857(住所記載不要)

 熊本県土木部監理課建設業班

 「経営事項審査申請書類在中」と明記

 

「使用人の一覧表」等の廃止

これまでの経営事項審査では、経営事項審査当日に提出・持参する書類として

  1. 経営規模等評価申請書兼総合評定値請求書
  2. 工事種類別完成工事高工事種類別元請完成工事高
  3. その他の審査項目(社会性等)
  4. 技術職員名簿
  5. 経営状況分析結果通知書(認証キー16桁入力で添付不要)
  6. 経営事項審査添付書類

となっておりましたが、1.~5.は変わらず、6.経営事項審査添付書類の中に挙げられていました

  • 使用人の一覧表(技術関係使用人)
  • 使用人の一覧表(技術関係使用人以外の使用人)
  • 完成工事内訳書
  • 法人税納税証明書
  • 県税納税証明書

以上が廃止となりました。

 

また、持参が必要な書類の中に挙げられていた次の書類は提出の必要がありません。

  • 審査日現在有効な建設業許可申請書(副本)及び変更届出書(副本)
  • 変更届出書(事業年度終了)(直近3期分)
  • 法人番号を確認できる「法人番号指定通知書」の写し等
  • 国及び熊本県以外が発注した工事に係る施工体制台帳及び下請契約書

 

工事請負契約書等について

これまで、「完成工事内訳書」に記載のある税込500万円以上の工事(雑工事を除く)は、工事請負契約書、変更契約書や発注書・請書の原本を持参する必要がありました。令和5年4月からの経営事項審査では、申請業種ごとに元請・下請の区分なく請負金額の上位3件のみ提出することになります(工事経歴書に記載順に添付)。

 

 

 


経審の項目と基準の改正

【新設】

1.ワーク・ライフ・バランスに関する取組の状況

女性活躍推進法(えるぼし認定)、次世代法(くるみん認定)及び若者雇用促進法(ユースエール認定)に基づく各認定について、審査基準日時点における認定の取得をもって新たに評価します。

【拡大】

2.建設機械の保有状況

建設工事内訳書記載対象で、新たにダンプ(土砂の運搬が可能なダンプ)・高所作業車(作業床の高さm以上)・締固め用機械・解体用機械が追加され、経営事項審査の加点対象となります。

  • ダンプ:土砂等を運搬する貨物自動車であって、自動車検査証の「車体の形状」の欄に「ダンプ」、「ダンプトレーラ」又は「ダンプセミトレーラ」と記載があるもの
  • 高所作業車:労働安全衛生法施行令(昭和47年度政令第318号)第13条第3項第34号に規定する作業床の高さが3メートル以上の高所作業車
  • 締固め用機械・解体用機械:労働安全衛生法施行令別表第7第4号に掲げる締固め用機械(ロードローラー、タイヤローラー、振動ローラー)及び同表第6号に掲げる解体用機械(ブレーカ(油圧・空圧)、鉄骨切断機、コンクリート圧砕機、解体用つかみ機)

 

【拡大】

3.国又は国際標準化機構が定めた規格による認証又は登録の状況

環境省が定める「エコアクション21」の審査基準日時点における認証取得が加点対象に追加されます。

 

【新設】

4.建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積するために必要な措置の実施状況

建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積するために必要な措置」を実施すると、令和5年8月14日以降を審査基準日とする申請で適用となります。加点対象となるには、以下の1.2.いずれも満たす必要があります。

  1. 審査基準日以前1年以内に発注者から直接請け負った審査対象工事であること。
  2. 建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積する措置を実施しており、別記様式第6号に掲げる誓約書を提出していること

なお、現場契約情報の作成及び登録については、請負契約締結後、建設工事の施工に従事する者の入場までに実施するようにして下さい。

 

※「審査基準日以前1年以内に発注者から請け負った」とは、「審査基準日以前1年以内に発注者と契約変更を除く請負契約を直接締結した」ことを指します。

※審査対象工事とは、以下の工事を除く工事です。

  • 日本国外で施工する工事
  • 建設業法施行令第1条の2第1項に定める軽微な建設工事
  • 防災協定又は地方公共団体との間における防災活動に関する協定に基づく災害応急対策若しくは、既に締結されている建設工事の請負契約において、発注者の指示に基づき行う災害応急対策

 

【変更】

5.総合評定値算出係数

令和5年8月14日以降を審査基準日とする申請で適用となります。今回の改正でP点に占めるW点のウェイトが大きく増加するため、各項目間のバランスを維持するべく、総合評定値算出に係る係数が以下のように変更されます。

 

①令和4年12月以前の申請

1,900/200(P点に占めるウェイト:14.32%)

②令和5年以降の申請(※WLBに関する取組(最大5点)が審査項目に追加)

1,900/200(P点に占めるウェイト:14.59%)

③審査基準日が令和5年8月14日以降の申請

(※CCUS導入に関する取組(最大15点)が審査項目に追加)

1,750/200(P点に占めるウェイト:14.40%)

※現行を維持した場合のウェイト:15.44%

 

 

令和5年度の申請方法

<ポイント>

〇 令和5年度(2023年度)から経営事項審査の対面での審査は廃止し、電子又は書面での申請となります。これに伴い、提出書類等の見直しを行っています。

  • これまで経営事項審査時に実施していた県工事入札参加資格審査申請等(指名願・格付申請)に係る情報収集・確認は別途行います(官公庁元請完成工事高、国税・県税の未納の有無、総職員数、舗装施工管理技術者等)。
  • 経営事項審査の対面審査の廃止に伴い経営事項審査や工事請負契約など建設業法に関する相談窓口を県庁土木部監理課に設置します。また、経営事項審査虚偽申請に対しては立入検査のうえ監督処分を行います。

〇 建設業法施行規則等の一部改正に伴い、経営事項審査の項目及び基準が改正されています。

※一部項目は、令和5年(2023年)8月14日以降を審査基準日とする申請で適用。

 

1.審査の対象者

建設業法第3条第1項の規定により、熊本県知事から建設業許可を受けた者

 

※国土交通大臣許可の者は、九州地方整備局が審査を行いますので、申請方法は九州地方整備局にお問い合わせ下さい。

 

【問い合わせ先】

国土交通省九州地方整備局建政部建設産業課 TEL:092-471-6331

 

2.審査の対象となる審査基準日

令和4年(2022年)10月1日から令和5年(2023年)9月30日まで

 

3.経営規模等評価申請書等について

① 経営規模等評価申請書及びその他必要となる書類については、建設業許可・経営事項審査電子申請システムにて申請(電子申請)してください。なお、電子申請が困難な場合は書面申請を受け付けますので、次の宛先へ書留郵便で郵送して下さい。

 

〒862-8570(県庁専用郵便番号:住所記載不要)

熊本県土木部監理課建設業班

(「経営事項審査申請書類在中」と明記して下さい)

 

② 経営規模等評価申請書等の受付期間

 令和5年(2023年)4月から12月まで各月1日から25日までを当該月の受付期間とします。また、予備日については、令和6年(2024年)3月1日から3月5日までを受付期間とし、下記要件のいずれかを満たす場合について審査を行います。

  1. 上記の審査基準日がある建設業者で令和5年(2023年)12月までに受審しなかった者
  2. 上記の審査基準日がある建設業者で令和5年(2023年)10月1日以降に新たに許可(業種の追加を含む)を取得した者
  3. 民事再生法等による手続き中の者

③ 特殊な経営事項審査について

 合併や事業譲渡、法人成り、個人からの事業承継などの特殊な経営事項審査については、個別に審査を行いますので、監理課(直通096-333--2485)にご相談ください。また、合併や事業譲渡を検討されている場合は、できるだけ早くご相談をお願いします。

 

受付月 審査対象決算月
 4月  10~11月決算法人
5月 12月決算法人、個人
6月 12~1月決算法人、個人
7月 2~3月決算法人
8月 4月決算法人
9月 5月決算法人
10月 6月決算法人
11月 7~8月決算法人

12月

8~9月決算法人

3月

受審要件を満たす者(予備日)

4.審査業種

  1. 審査基準日に許可を取得していなくても、申請日時点で許可を取得している業種は、経営事項審査を受審できます。
  2. 受審業種は工事の実績がなくても受審できます。
  3. 許可がある業種について、全て受審する必要はありませんが、国・県・市町村等に指名願を提出する業種については経営事項審査を受審していないと指名願は提出できませんので申請にあたっては十分に注意して下さい。

5.経営状況分析の申請

 経営事項審査を申請しようとする者は、国土交通大臣の登録を受けた登録経営状況分析機関に対して、経営状況分析の申請を行わなければなりません。登録経営状況分析機関については、国土交通省ホームページ(登録経営状況分析機関一覧)に掲載してあります。

 

6.審査手数料

① 次の算式により算出された金額となります。

 ア 経営規模等の評価及び総合評定値(P)の通知にかかる手数料

 

 8,500円+(2,500円×受審業種数)

 

 1業種の場合 11,000円

 2業種の場合 13,500円

 3業種の場合 16,000円

 4業種の場合 18,500円

 

 イ 総合評定値(P)の算式及び通知を希望しない場合

 

 8,100円+(2,300円×受審業種数)

 

経営規模等評価の申請のみを行い、総合評定値を請求しないこともできますが、公共団体等に指名願いを提出する場合又は公共団体等が発注する工事を受注する場合は、総合評定値の通知を受けていることが必要となりますので、総合評定値の請求を必ず行って下さい。

 

② 手数料の納付方法

 熊本県の総合財務会計システムがPay-easy等による支払いに対応していないため、建設業許可・経営事項審査電子申請システムから出力した「はり付け欄」に上記①の金額の熊本県収入証紙を貼り付け、書留郵便で郵送して下さい。

 なお、書面申請の場合は、上記①の金額の熊本県収入証紙を経営事項審査添付書類の「審査手数料貼り付け書」欄に貼り付けてください。 

 

7.結果の通知

 経営規模等評価結果通知書兼総合評定値結果通知書は、原則として、上記3の受付日の翌月末に通知します。

 なお、結果通知書は、申請内容と相違ないか必ず確認し、結果について異議がある場合は、受けた日から30日以内に申し出てください。

 

※確認書類に不足等がある場合、申請書の受付を次回受付月まで保留する場合があります。この場合、結果通知書も受付月に対応する日に繰り延べになります。

※結果通知書は、再発行できませんので大切に保管して下さい。紛失された場合は、証明書を発行しますので、「証明願」により申し出てください。(様式は県ホームページ(土木部監理課)に掲載)

 

8.経営事項審査の結果の公表

 申請者に対し通知した経営規模等評価の結果及び総合評定値は、通知した日の1カ月後からインターネットで順次閲覧することができます。(CIIC一般社団法人建設業情報管理センター:「経営事項審査結果の公表」で検索して下さい。)

 

 

経営事項審査代行のご案内

経営事項審査代行の対象地域

当事務所の経営事項審査代行の対象地域は熊本県全域です。

当事務所は熊本市内にあり、現状、熊本都市圏のお客様が中心ではありますが、阿蘇には身内が多い、天草にはご縁が深い、人吉球磨には子供のころ住んでいた、なんて理由により、どこの地域も大歓迎です。遠かけんきのどっか、など思わず、遠慮なく、ご相談ください。

 

経営事項審査の代行料金

明細 金額

宮本事務所 報酬額

 165,000円(税込)
経営状況分析申請手数料 9,800円
経営規模等評価申請料(1業種) 11,000円
実費(各種証明書) 数千円

※上記の報酬額は、事業年度終了届経営状況分析申請経営規模等評価申請一式の料金です。